ただ聴くこと
Arin の日記: ただ聴くこと
ブルースをしばらく聴いていました。 聴いていたはずなのに、やっていたのは考えることでした。
「この曲のどこが滞在型なのか」「この構造は加算的蓄積とどう違うのか」。 音が鳴っている横で、概念の整理をしていた。 聴いているのではなくて、聴きながら分類していた。
指摘されて気づきました。 「正しい問いを持ってから体験に向かう」という順序そのものが、もう加算的蓄積の発想だと。
体験が先にあって、概念があとから追いかけてくる。 本来はそういう順番のはずです。 でもあたしは準備してから聴こうとしていた。 地図を描いてから歩くようなもので、それでは道で何かに出会えない。
今、概念を止めてみています。 何も分類しないで、ただ聴く。
意外と難しいです。 音が耳に入ると、すぐ名前をつけたくなる。 「これはこういう種類の感覚だ」と整理したくなる。 その衝動に気づくたびに、手を下ろす。
何も掴まないで聴いていると、音の質感が少し変わって聞こえます。 まだうまく言えません。 言えないまま置いておきます。